「・・・ということなんですよ。」
深刻な表情でサニーに頼み込む男性。
「こんな事になるなんて世も末ですよね。それなら引き受けますよ。」
サニーは男性の依頼を受けた。
実は男性は保育園の園長で「ドリームズホープ・ナーサリースクール」という名の保育園を開設したのだが、開設直後に保育園の閉鎖を求める内容の脅迫状が届き、そこにはもしも閉鎖しなければ子供と教員全員を皆殺しにすると書かれていたのだ。園長はサニーに潜入捜査を依頼しに来ていたのだ。
ドリームズホープ・ナーサリースクールに着くとサニーは捜査方法を提案した。
「私が保育士になるので犯人が現れたら不意を突いて攻撃するから園長先生は子供達の安全を確保して。」
「はいっ、絶対子供達は守ります。園長の名にかけて。」
サニーは保育士に扮して捜査を始めた。
しばらくすると一人の男性が訪ねてきた。
「ドリームズホープ・ナーサリースクールですよね?」
「はい、そうですが。」
園長が応対する。
「ちょっと話したいことがあるから全員体育館に集めて欲しいんだ。」
男性の指示で園長は全員を体育館に集合させた。
その後、男性も体育館に入ったその時だった。
「動くなっ!動いたら殺すぞ!!」
男は体育館に入ると突然拳銃を取り出して子供達を人質に立てこもった。
突然の恐怖に子供達はパニックになる。
保育士達は子供達を落ち着かせるので精一杯だ。そんな中サニーは男に詰め寄った。
「子供達は関係ないでしょ!子供には手を出さないで!!」
サニーは啖呵を切る。
「関係ねえ奴は引っ込んでろ!」
男はサニーを払いのけると再び銃口を向けた。
しかしサニーはめげずに立ち向かう。
「目的は何?何なの?」
すると男はこう言った。
「ここが出来てからクソガキ共の騒音で迷惑してんだよ。だから俺は閉鎖を求めて文書を送ったけど何もしてくれねえからここへ来たんだ。どうしても閉鎖しねえなら全員皆殺しだ!」
男のあまりに理不尽な理由にサニーは怒りを爆発させた。
「未来の夢と希望を持った子達にそんなことするなんて・・・どうしても殺さないと気がすまないのなら私が相手よ!!」
サニーはマシンガンで男に殴りかかり、掴みかかった。
「待て待て、もう観念したから。」
男は慌てて言う。
「子供達にはとても怖い思いをさせて申し訳ないと思ったし、これからは社会に貢献できるよう更生するからもう勘弁して・・・」
男の訴えにサニーは手を離した。
「なーんてな!そう簡単に観念するか!!」
何と男は再びサニーに掴みかかったのだ。
男の豹変に驚くサニー。
「ちょっと、人質を解放するんじゃなかったの?」
サニーは男に問いかける。
「バーカ!誰が解放するつった?大人しく俺に殺されてりゃいいものを!!」
男はそう言うとサニーを子供達の方へ投げつけた。
先生達は飛ばされてきたサニーを抱える。
「これで終わりだ!!」
男はそう言うと手榴弾を取り出した。
予想だにしない展開に再びパニックになる。
「ハッハッハ!苦しめ苦しめ!!これ一つ爆発したらお前ら全員あの世行きだ!」
もはやどうすることもできない一同は遂に死を覚悟した。
「これで終わりにしてやる!!」
男は遂に手榴弾を投げた。その瞬間一同は頭を伏せた。
しかしその直後、手榴弾はマシンガンに跳ね返された。そう、サニーだけは希望を捨てずに抵抗を続けたのだ。
跳ね返った手榴弾は男目掛けて飛んでいく。そして
ドドォォォォォン!!!
男は自ら放った手榴弾の巻き添えを食らってその場に倒れた。爆発で舞台が半壊したものの奇跡的に犯人を除いて死傷者は出なかった。
その後、今回の一件を受けてドリームズホープ・ナーサリースクールはもちろんのこと教育現場における防犯対策が大幅に強化された他、テロ対策も入念に行われるようになった。そして
サニーは子供達の憧れの的となり、一躍ヒーロー的存在となった。
終わり